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2009年 02月 09日
(以下2009.2.9福岡高裁での意見陳述原稿です:長いけど・・・)
松坂 昌應と申します。 1.貧乏な市会議員 私は島原市の森岳商店街で写真業を営むかたわら現在市議会議員をしております。6年目です。島原は18年前雲仙普賢岳噴火災害に見舞われ、もともと寂れつつあった商店街は大きなダメージを受けました。災害は長期化し、いつ被害が拡大するかわからない町からは人口が流出し、仮設住宅に移った住民も家財などは買い控えました。日用品や必要な電化製品は全国から義援物資で届けられ、地元の商品は売れないという皮肉な状態が続きました。間接被害の極みでした。 家を追われ家族を失った直接被災者ばかりに目が行き、これだけ因果関係がはっきりしているのに、間接被害に対して、行政の目は届きませんでした。 当時、私は森岳商店街の事務局として、白黒の塗り絵ポスターを1枚10円でコピーして、子どもたちに色を塗ってもらい貼り出しました。売り出しポスターではありません。お客さんが来なくても、せめて元気に声を掛け合おうと「挨拶運動」のポスターでした。私は貧乏な商店街仲間と支えあってあの災害を乗り越えたことを誇りに思っています。 21世紀になり市町村合併の時代を迎えました。行政のトップや議員たちが、住民を置き去りにして自分たちの保身に明け暮れる合併騒動に義憤を感じ、市会議員選挙に立候補したわけです。 インターネットで情報発信しながら、手作りチラシに政策を書いて、ハンドマイク一本で、市内全域を訴え歩きました。選挙カーを使わず、お金をかけなかったので、かえって目立ったのか、同情を買ったのか、当選することが出来ました。 そんな私に相談に見えたのが、有明海の荒廃に苦しむ漁民の方でした。利権にくみする漁業組合幹部や行政の理不尽な仕打ちに耐えながら、宝の海を子どもたちに残したいと訴える漁民の方たちでした。諫早湾干拓の問題を考えるようになったのはこの時からです。既に有明海が締め切られて5年が過ぎていました。私は遅れてきた人間です。 しかし、遅れてきたから見える真実もあるんです。貧乏だから見える真実もあるんです。私は市議になってなるべく多くの人の話を聞くようにしました。尊敬する中坊公平さんにならって現場主義を採りました。小野地区や森山地区の農民の方の話も聞き、中央干拓地の試験農場にも何度も足を運び、干拓事務所にお願いして調整池の中もボートでクルーズしました。そして客観的に申し上げます。長崎県知事さん、あなたは間違っています。 2.李下に冠を正さず 島原で農業委員も歴任する同僚市会議員に話を聞きました。「あの干拓農地で農業はできますか?」と問いますと、「地盤が軟らかくて、雨ですぐぬかるむし、塩が上がってきて農業なんかできるわけが無い。」と。そして「農協に頼まれたから営農希望のアンケートは出したけどね。」と続けました。 この議員は、その後私たちが「開門調査の請願」を提出した際、「排水門はこれまでも開けられなかったし、今後も一切開けてはならない。」と強弁し、私たちが調整池の水位をマイナス1メートルに保つための調整開門の被害に触れても意味が分からず、ならば本明川の水が潮受け堤防をオーバーするまで開けないのなら諫早は水没するぞと言われてようやく排水門の仕組みを知ったぐらいですから、干拓農地の評価はいい加減な情報に基づくものだろうと推測できます。しかし入植する気も無いのにアンケートを出したことだけは確かです。 私は県にアンケート結果の開示を求めましたが、個人情報を盾に新聞情報程度しか示しませんでした。 当時の西日本新聞の報道によると、約680haの干拓農地の3.5倍を上回る営農希望が寄せられている。とのことでした。しかも現金買取でも入植したいという希望は延べ900haを越えていました。ならば国は直接営農希望者に販売すれば完売するではありませんか。しかし県はこの農地を一括買取してリースにすると発表しました。 2006年、私たちは「こんな公金支出は間違っている!」と住民監査請求を起こし、7月の公聴会で、私は、「買い取ってでもやろうという意欲ある希望者を優先して、県は公金を支出する必要はない。」と誰でも感じる素朴な意見を述べました。そして「知事の親族にどうしてもリースで入植したいという人でもいるのですか?」と問い詰めました。第三者委員によって、私の発言は知事を誹謗するものとして議事録から削除すると言い渡されました。しかし、あろうことか私の心配は現実のものとなって的中しました。「李下に冠を正さず」とはこの事です。 2008年3月、農水政務官の谷川弥一衆議院議員(長崎3区)の長男とその妻で金子原二郎知事の娘が取締役を務めていた会杜「TGF」(タニガワ・グリーン・ファーム)への農地貸し付けが明るみに出ました。 私はこのTGFが入植している農地も4~5回見に行っています。諫干農地の中でも中央干拓地に比べ、地盤も安定し、国道からすぐ入れる利便性の高い小江干拓地の3分の1を占有しています。 3月19日の朝日新聞によると、[谷川議員は「取締役は別の人間だと聞いていた。疑念を抱かれても仕方がない。すぐに取締役を代えさせる。ただ、当初は農地貸し付けに申し込みが少ないと聞いていた。失敗させたらいけないと思い、申し込んだ」と話した。]とのこと。 同じく読売新聞・長崎版によると[金子知事は19日の記者会見で、「昨年9月、営農希望者のリストを見て知った。娘は役員を外れた方が良いと思ったが、嫁ぎ先が経営する企業に口出しするわけにもいかず、言いそびれた。選考には一切タッチしていないし、知事の親族が県関係の仕事は一切できないというのもおかしい。誤解を招いたのは残念」と語った。]とのこと。 リース入植者を募集決定した農業振興公社は、長崎県の100パーセント出資とはいえ、県とは別の団体であります。その理事長に県の藤井副知事、副理事長に県渡辺農林部長があてられていますが、この二人は金子知事の代理ではありません。県とは別の団体の理事です。代理なら1人でいいはずです。 いやしくも入植者の選定は公正に行われなくてはなりません。選定経過は公社にとって最重要機密事項であるはずです。私たちが公社に応募状況を尋ねても個人情報を盾に教えてもらえなかった情報です。しかし公社の機密事項は渡辺副理事長からいともたやすく外部の人間である金子知事に漏洩されていたわけであります(同3/19記者会見)。李下に冠どころか、しっかり桃の実に手を伸ばしているではありませんか。 私はこのTGF問題で金子知事には手錠がかかり、この裁判は決着するものと思っておりました。裁判長!私の常識は間違っていますか? 3.入植者には手厚い支援策 リースを組むこと自体に問題があるのに、そのリース料はさらに値下げされ、その53億円の調達財源は100年かかっても返せない。その違法性を原告弁護団に指摘されると、こんどはその6分の5を無利子にしてしまうという。どうしてそんな魔法のようなことが出来るのでしょうか。(財団法人)全国土地改良資金協会に頼むことでそんな魔法が実現したわけです。 この(財団法人)全国土地改良資金協会の専務理事吉野学氏は、このポストに再就職する直前まで諫早湾干拓事務所所長を務めていたわけで、自身の安定報酬ばかりではなく、お金を無尽蔵に流す太い太いパイプになるといういわゆる天下り問題の典型的な例を見ているわけです。私たち市民はこんなデタラメも単なる偶然として諦めなければならないのでしょうか。 今、日本も百年に一度と言われる財政危機に晒されています。国政が停滞しているので全国の自治体は、緊急に補正予算を組んだりして対応しています。私の属する島原市議会にも緊急財政支援策が盛り込まれました。 中小企業振興利子補給補助金として商工業者の借金の利子を補助しようというもので550万円が計上されました。2000軒近い中小企業に合計550万円です。 同じ予算書に「耕種(耕す種という字です)作物共同利用施設整備等補助金」として1960万円が計上されているのです。こちらはたった一軒の農業法人に対してです。しかもこの同じ団体は今年度当初予算で既に3480万円を得ており、それに追加支援をしているわけです。 再調査して驚きました、「共同利用機械整備事業費補助金」と、これまた似たような名前で、島原市は、もう一つの農業法人に8130万円を補助。20年度たった二つの法人に1億3570万円の補助金を出しているのです。国の『強い農業支援』と言う名まえの(事業費の50パーセントとか33パーセントを補助する)交付金に、義務負担ではないのに、島原市は5パーセントから10パーセントを上乗せ、市の単独負担分は2100万円です。たった二つの農業法人に対して2100万円、一方で島原市の2000軒近い商工業者には合計で550万円です。この二つの農業法人は実は島原から干拓農地に入植した法人なのです。 私は市の担当課に、ただでさえ安いリースで入植し、国が50パーセントも事業補助するなら、市は取り次ぐだけで、上乗せの必要はないのではないか。と詰め寄りました。「県も追加補助をするんです。」などと県の言いなりです。 島原市は補助金に長々しい名前をつけて何の補助金か分からないように工夫されていますが、諫早市は単刀直入、同じ趣旨の補助金で名前は「新干拓地営農支援事業補助金」となっており、市の単独上乗せ補助は10パーセントです。 長崎県に確認すると、入植した41事業体から応募のあった22全ての団体に国費県費合わせて16億7千万円を補助し、さらに窓口になった市町村も上乗せをしているわけです。至れり尽くせりです。 4.声なき声を聞いて現場を見てください。 人間には想像力があります。人間だけが自分の経験しないことを自分の経験とすることが出来ます。相手の立場に立って考えることができます。 幸い私は今日(きょう)この席に立つことが出来ています。せっかく災害を乗り越えたのに店をたたんで音信不通になった商店街の仲間、陸に上がって行方知れずの漁民、そして命を絶った漁民の声は届きません。朝仕出し弁当を詰め、昼間漁業を手伝い、夕方コンビニのレジを打ち、夜、箱を折る漁民の妻は傍聴席には座っていません。 どうか裁判官の皆様、想像力で、心の耳で、声なき声を聞いてください。心の目で現場を見てください。(よろしくお願いします。)
by mmatusaka
| 2009-02-09 22:43
| 諫干・環境
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