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2012年 07月 03日
強烈なタイトルであるが、今の政府を考えれば、普通の表現だ。堤未果さんといえば知る人ぞ知る女性ジャーナリストだ。
若い女性ジャーナリストがこれだけ過激な表現をすれば、普通なら一歩引く。(テレビ的に言えば、ちょっとテレビ映りのいい若い女性が権力に噛み付いて話題にしよう・・・的に捉えられかねない。)しかし彼女のこれまでの仕事(といっても僕も彼女の前作を読んでいるという程度だが・・・)を知っている人は、この表現がブラフでもオーバー表現でもないことは容易に察しがつく。これは真面目に心してかからねば、と思う。 先に紹介した森ゆうこを買ったとき、実は一緒に買ったのであった。森ゆうこの前に藻谷浩介『デフレの正体』を買っていて現在読書中で、普通こんな状況では買わないのであるが・・・どうせ近いうちにたぶん手元に置くだろうと思い、これも買ったわけだ。 実はすべてつながっているんであって、藻谷氏のデフレの正体こそ(まだ途中であるが)日本の今の状況を言い当てている。日本版格差社会だ。(この件は藻谷氏読了後また報告したい。)一言でいえば、日本の赤字国債は(政府にとっては借金ということになっているが)ギリシャなどと違ってほとんど全部国内で消化されている。その国内というのは実は日本の大企業・銀行らお金持ちたち。お金持ちたちに莫大な利息を付けてお金を借りて、つまりはその資産を太らせているだけのこと。デフレが追い打ちをかける。 赤字国債分をこのたび消費税にすり替えて日本中の貧乏人から広く浅く回収して、社会保障に回すとか色々言って、結局お金持ちたちにまた金を回す仕組みだ。これだけなら日本の中だけのやり取りだから国際的には関係ない。プラマイゼロだ。 実はこのお金持ちたちがすごい。持てる資産は増える一方、その資産を今度は海外に投資する高利貸しする更に資産は膨らむ一方である。かくして格差社会は広がる一方である。日本は世界を相手にすれば高い評価のお金持ちである。だから円高だ。 このモデルはもちろんアメリカにある。『ルポ・貧困大国アメリカ』という堤さんの代表作、衝撃のタイトルであった。グローバル作戦市場自由化で世界の富を独り占めするアメリカ、そのアメリカが実は99パーセントの国民は貧困層に転落していくのだ。アメリカの1パーセントのお金持ちがアメリカの富の80パーセントを独占する。第2作、『~2』は医療・教育までむしばむアメリカの実体を示していた。 9.11以来「テロとの戦い」という仮想敵の名のもとに言論を統制し、規制緩和自由化を進め、国民に自己責任を求め、小さな政府はその金を戦争につぎ込んだ。仮想敵は本当に作られた。アルカイダもフセインも軍産複合体の餌食となった。無実の罪を着せられアメリカは石油込みで中東に侵略を進めている。 実は3.11以後の日本が同じ道をたどっている。災害復興の名のもとに国民に我慢を強いて、税金をあげ、そのお金を軍産複合体よりたちの悪い『原子力ムラ』で山分け。そのさまざまな事象を克明に解き明かしている。 衝撃は『アラブの春』である。カダフィ大佐はけしてリビアの独裁者ではなかった。民主化の名のもとに殺害されたカダフィ大佐のことを悪く言う国民はいなかった。と。今回の日本の官邸を包囲したデモにツイッターやfacebookが大いに活躍したことは信じたいが、アラブの春を演出したFaseBookは、これもまた彼ら(いわゆる軍産複合体)だったという衝撃の事実。あのあるジャジーラすらも加担していたという。事実を積み重ねれば明白なのだが、我々欧米化された日本人は「アフリカの国々は独裁者が貧しい国民を虐げている」と簡単に信じ込まされている。石油産油国であるリビアは黙っていても豊かである。その富を欧米に奪われないようドルにもユーロにも侵されないアフリカの通貨を考えていたという。泥棒はカダフィーではなくアメリカだった。というより1パーセントの軍産複合体であり原子力ムラだ。 僕としては、役所改革(公務員改革)を考える中で、役人を1パーセント側の人間ととらえていたかな?と思い当たる。教育(そこには教育公務員である先生がいる)までもが『拝金主義』の市場原理に組み込まれつつあるという危機感。あいつらは次なるターゲット中間層を教育に求めているのである。中間層をすべて貧乏人にして力を奪い、次なる中間層(知識人たちとその予備軍である子ども達)を貧困に付き落とし、盤石の体制を築こうとしているのである。うまく表現できていないが、僕にとっては得ることの多い本だった。 3.11という日本にとって最大の危機をも食い物にしようとする者たちがいる事、危機だからこそ用心しなければならぬ。いくらアメリカがでたらめでも、平時であったら、ブッシュが「イラクのフセインは大量破壊兵器を持っているからやっつけよう!」と言ってもほどほど教育を受けたアメリカ人はその非常識をとがめただろう。 ところが9.11の事件があり、アメリカ人にとって「テロの脅威」に対抗する正規軍と言われれば騙されてしまうわけだ。侵略戦争で徴兵をかけても集まらない若い人たちは「正義の使者」の大義名分を与えられ、すでに貧困にあえいでいるわけだから、安い給料で戦争に駆り出される。 そこに同じ構造を見る堤さんは、この本の執筆を思い立ったのである。けして明るい展望は見えないが現実の世界を理解するのに格好の本ではないかと思う。そして、そこには確実に向かうべき方向が示されている。
by mmatusaka
| 2012-07-03 12:11
| 読書
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