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2015年 10月 09日
被爆者の高齢化が進み、語り部がいなくなる。若い人たちが(直接被爆ではないが)語り部の遺志を継ぐ形で語り部二世として、などの話がある。実は人間は記録を文字文章で残すという方法を知っている。本を読むことがモット普通に受け入れられれば、原爆の記憶は伝わると思う。(DVDに残す方法も既に並行してなされているが。) 今回『黒い雨』を読んで、被爆者である父が話していた被爆体験の一部が甦ってきた。『黒い雨』は井伏鱒二が、挑んだ記録文学と言っていい。他のつくり物語としての小説群とは一線を画している。もっとこの作品は読まれていい。 学校の授業が50分程度の細切れであり、テレビ時代の「伝達」がやはり小1時間が相場だ。長くても2時間(映画)が現代人の辛抱の限界のように言われて久しい。物理的には、人間が集中できる時間は確かに2時間程度だろう。しかし、人間の持続する意志=精神はもっと強靭だ。 途中トイレにも行くし、食事もし、睡眠も必要。生活のために仕事に追われれば、途切れ途切れの読書となるが、『意志』は持続できる。 世の中にこれだけ多くの書物があり、本屋さんもそれなりに成り立っているところを見れば、多くの需要もあるのだろう。「本を読む」ということを、人間の生活の当たり前に据えてもいいのではないか。 確かに、原爆の悲惨を学ぶためにと、この『黒い雨』を全部読もう!などやったら、相当の時間を要するだろう。授業などで全部読む作業を組み込めば……今時の子供たちは(いやいや大人ならもっと)すぐに投げ出してしまうかもしれない。 どうせこんな長い話は聞いてもらえない、こんな長い文章は読んでもらえない。と、早々とあきらめ過ぎていないか。まあ、教室の生徒の全員にとか、会場に集まった全員にというのは難しかろうが、推薦する側は諦めることなく、「これ、おススメだよ。」ともっと強く薦めてもいいのではないか。 井伏鱒二といえば、教科書文学史的には『山椒魚』など風刺のきいた作品をものした作家と説明されている。今回少し深入りして、実は井伏鱒二が『ドリトル先生航海記』の翻訳者だということを初めて知ることとなった。僕は今でこそ(実は今もそれほどの読書家ではないが)文学青年気取りでいるが、子供少年時代には読書にはほとんど縁がなかった。(文学少年ではなかった。) 仲のいい友達が(それなりに読書をする家庭の子供だったのか)、『本』を話題にすることがあり、その友達に付いて行こう、仲間に入れてもらおうと、おススメの本を読む程度だった。そんな中で、むさぼるように読んだのが『ドリトル先生シリーズ』だった。第一小学校の図書館(図書室)で友達ととっかえひっかえ借りてきて読んだものだ。(当時はハードカバーの大きな判型だった。) ドリトル先生シリーズの翻訳者が井伏鱒二と知っていたら、僕はもっと早い時期に『黒い雨』を読んでいたのだが……読んでいたら、この作品をもとに親父の被爆体験をもう少し掘り下げて聞くことが出来たのにと、今は亡き父を思う。まあ、それでも今回縁があって、膨大な書物群の中から『黒い雨』を読むことが出来たのは、幸運だったと思う。 島原図書館で「今もあるかな?」と探したら、岩波少年少女文庫のような廉価版で並んでいた。『ドリトル先生の楽しい家』は記憶に無かった。無かったはずだ。当時はまだ書かれていない晩年の作品だった。 どくとるマンボウシリーズはこれも『航海記』が有名で、楽しく読ませてもらった。ドリトル先生の航海記が面白かったから、面白いに違いないという確信をもって入り込むことが出来たのだろうと思う。マンボウシリーズは『青春記』と『昆虫記』がおススメだ。マンボウ北杜夫は我が父親と同い年、大学時代の恩師ヒノタニさんと同い年であった。そんな連想をしながら島原図書館の新刊本コーナーで『マンボウ最後の家族旅行』というのを見つけた。北杜夫はほぼ全部読んだと思っていたのに見覚えが無かった。北杜夫が亡くなった後、奥様が集めた文章集のようだった。奥様の長いあとがきが付いていて、山手線で北杜夫に遭遇して手に持っていた『マンボウ』にサインをお願いした時の隣に座っておいでだった上品な奥様を思い出した。 ※追想どくとるマンボウ 老眼が進んで、昔ほどすらすら文字が読めない。しかし何と言っても、読書は自分のペースで出来るからいい。
by mmatusaka
| 2015-10-09 20:02
| 読書
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