『青草子』号外その３

長崎県知事選総括

　2010年3月8日一般質問に立った松坂は2/21結果の出た県知事選の総括と開門への動きを紹介しながら諫早湾干拓問題質問の導入部としました。
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　今回の県知事選挙、ここまで全国から注目されていたとは思いませんでした。色んな解釈がありましょうが、政権交代を果たした民主党の中央と長崎県民主党のねじれた関係が、県民だけでなく、全国民に知れ渡った事だけは確かです。
　公共事業にはもちろん必要なものもありますが、長い利権政治の中で無駄な公共事業がはびこってきました。民主党新政権は、まず無駄な公共工事の典型として「八ッ場ダム」を中止すると明言しました。ところがこれ、結構てこずっています。肝心の地元民主党が中央とねじれてブレーキになり、地方の声が見えにくくなったからです。「八ッ場ダムは無駄である」という相当数の住民の声が押さえ込まれ、地元はオールダム推進であるかのような報道が繰り返されました。
　政権交代は、これまでの自民党的な政治（大企業利権優先の政治、官僚役所主導の政治）に「ＮＯ」を突きつけた結果だったのに、地方の政治家たちは、今回の長崎県民主党も同じですが、何を勘違いしたか、これまでどおりの政治のやり方を踏襲し、その利権の窓口、パイプ役だけを自民党から民主党に交代する事と思い込んでいます。政治家と国民の間にここまで大きなずれがあると、政治は当分信頼を回復できないでしょう。でも諦めてはいけません。
　大阪府の橋下知事、名古屋市の河村市長、阿久根市の竹原市長など地方自治体の一角から本当の市民の声の代弁者が出始めています。この島原市から住民主体の政治を打ちたてようではありませんか。
　今回の県知事選と諫早湾干拓問題に戻しますが、「諫早湾干拓」は世界レベル全国レベルで「ムダで有害な公共事業」として認識されています。「ムダで有害な公共事業」の代名詞になっています。しかし中国の故事成語のように済んでしまった過去のことではありません。今も日々有明海の環境を破壊し続けている現在進行形の事業であります。そのことが今回の選挙を通じて全国に伝わった事がせめてもの救いであります。

　「八ッ場ダム中止」の次は「イサカン見直し」が控えていました。誰の目にもムダが明らかな二つの公共事業を見直すことで、「コンクリートから人へ」を強くアピールするはずでした。様々な抵抗に会い、足踏みしていますが、八ッ場ダムの受注ゼネコンから多くの政治献金が地元政治家に流れている事も明らかになり、ともすると「地方の声を無視する中央政府」というバッシングで動けなかった、その「地方の声」の実体も明らかになりつつあります。
　去る２月１１日、知事選のさ中でしたが、赤松農水大臣が雲仙市を訪れました。「赤松農水大臣と語る会」と題されたこの集会は全国民に公開されていましたので、私も出席してまいりました。多くの住民が直接農水大臣に訴えようと色々な意見要望が出ました。
　中でも注目されたのが、「諫早湾の開門調査をして欲しい！」という地元漁民の切実な声でした。会場のあちこちから喝采の拍手が巻き起こりました。赤松農水大臣は、「開門賛成の声がこんなにあるとは意外でした。」と率直な感想を述べられました。「金子知事は長崎県は百パーセント開門反対と説明していたが、実際とは違うではないか。」と。
　有力二候補がいずれも、県民の多数世論である「開門調査賛成」を無視して、「開門反対」を訴えるという暴挙は、新幹線問題も同じでありますが、県民無視の民意不在そのものであり、公共工事利権に代表される政治権力の奪い合いでしかありませんでした。
　どちらが勝っても開門反対なのだから、この度の赤松大臣への直訴行動がなかったら、「開門調査の正当性」「県民の本当の声」は永久に闇に葬られるところでした。
　以上、既に報道等でご存知とは思いますが、多忙な市長のためにここであえて整理させていただきました。では質問に参ります。……
（2010年島原市議会３月定例会松坂質問より）

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