教育委員会（会議）の傍聴

　東京学生寮の問題を島原市の教育委員会はどう考えているのか気になって、教育委員会を傍聴した。毎月原則一回実施されている教育委員会（月例会議）は傍聴できると聞いていたので、傍聴することにした。
　実は、教育委員会がどのように実施されているのか前々から、一度傍聴してみようと思いつつ、いつも何かの用事と重なって、実現していなかった。だから今回初めての傍聴である。

　島原市のホームページでは、これまでの様子は、８月分までが9/13にアップされたままで、肝心の9月10月11月は未掲載だったので、情報公開請求を（議会経由で）お願いして、直接教育委員会事務方とやりとりする中で12月定例会が11/29に実施されることを知って、傍聴することにした。

　HPで再確認すると、11/27付で11/29のことは告知してあって、傍聴できる旨記載されていた。会議は公開となっているものの、傍聴においては氏名住所を告げなければならない規則となっている。（これは本当の意味で公開ではない。島原市議会傍聴では名前を名乗る必要はない。）
　僕自身初めての傍聴だったが、4月から就任している教育次長によると、就任して初めての傍聴人だったとのこと。

　僕は、前回11月教育委員会定例会が10/24にあって、そこで「東京学生寮即刻廃止」が決定されたと、受け取っていた議事録抜粋で確認していたわけであるが……


　議事に入る前に、１ヶ月の動きを事務方から報告し、そこで学生寮関係の報告もあった。
　それが11/14議会教育厚生委員会で報告されたこと。（これが翌日新聞報道された：学生寮廃止）
　それに先立つ11/7関東方面に視察研修に出かけた教育厚生委員会の議員有志が東京学生寮を現地視察していること。（この時議員にはまだ廃止の決定は多分知らされていない。）
　さらに11/19議会全員協議会でも報告説明されたこと。
　また前日11/28杉谷公民館において寮生１～３年生の保護者15名（14名出席）を対象に「学生寮の廃止」を報告説明したこと。
……を含めて学校行事など色色な報告があった。

　長崎新聞で相次いで11/27・11/29この学生寮問題を疑問視する報道があっているのに、委員の耳にはまだ入っていなかったのか、（事務方には入っていたはずだから、これは問題にして、報告すべきことだと思うが、傍聴人が割り込むわけにも行かず……）、報告に対する質疑で、学生寮について議員はどう反応したかと取り上げた委員がいたが、深まることはなく、拍子抜けだった。
　「学生の命」をタテにとって「学生の生活」を結果として奪ってしまったくせに、15人中14人が参加したという保護者がどのような反応をしたのか聴こうともしない教育委員たちに「人の心」はあるのかと思ってしまった。
　ただ報告する事務方も実に機械的で、早口で、関心を持って聞いている僕も半分は聞き取れなかったわけで、ただでさえ形骸化している教育委員会を再確認した結果になった。不満の残る議事運営だった。この日の感想は教育委員各氏及び事務方にも直訴しようと思う。

　今回は決定すべき議事はほとんど法や条例の変更に準ずるものばかりで、問題点はやはり報告事項の中にあったものだと思われる。
　
　学力テストの扱い（広報12月号に既に公表）は教育委員会での決定を受けての公表だったのか、事務方が決定して事後報告でよいことだったのか？
　全国平均を下回る結果となった長崎県の平均を更に下回る島原市の平均を公表する意味について議論はあったのか？
　既に校長会ではこの結果を受けて『学テ対策』が始まっているという愚かしい報告もあっていた。もちろん報告者は「愚かしい」とは言っていないが、聞いている僕は「愚かしい」と思ったわけである。（この件は本会議で一般質問します。）

　小学生をも蝕みつつあるスマホ問題なども、教育委員の皆さんは真摯に向かっていらっしゃるのはよくわかるのだが、これだけ多くの問題を「決定権」を持って処理するにはあまりに無謀なのだ。議員並みの報酬を支払って、常時見張り役をやってもらっても限界がある。
　常勤の事務方の教育観が「島原市の教育」を左右するのではないか？そういう意味では教育委員は教育委員会事務方をチェックする役目もあるのではないか。もちろんそれは議員の役目でもある。