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2014年 01月 21日
今回の二つの選挙は分かりやすかった。一つは名護市長選挙。米軍基地という迷惑施設を過疎の貧乏な自治体に押し付けるという構図。振興策という名のカネで相手のほおをなでるやり方だ。石破さんの500億基金はあまりに露骨だった。過疎に苦しむ地方はカネをぶら下げられると弱い。
二つ目は南相馬市市長選挙だった。言わずと知れた「原発」の押しつけだ。 数日前深夜テレビ(Eテレ)で翻弄される六ヶ所村が報じられていた。誘致推進派の議員は「シャープやソニーを誘致する地方とどこが違うんですか?」と開き直っていた。電源三法交付金が余計なのだ。通常の企業誘致は固定資産税収入と雇用メリットだから慎重に天秤にかける。原発の場合、本来安全対策や核のごみ処理に充てるべき費用をケチって、その数百分の一のわずかばかりのカネを、安全と引き換えに直接地権者にバラまく作戦だ。その微々たるカネは地権者たちの目がくらむほどの高額だ。地域は分断されてしまう。 沖縄も全く同じ構図だ。今も普天間は基地を歓迎する声もある。辺野古だって同じだ。 しかし大きな視点で見れば、どれほど過疎地域がなめられて、命が軽視されているのかがよくわかる。国はあまりにも地方の人たちをなめてかかった。馬鹿にしきっている。現実に今回は大差をつけて、両市とも人間の尊厳を保つ結果だったが、3~4割の貧しい人たちと、その貧しい人たちから暴利をむさぼる一部の利権者たちも存在している。日本全国の原発誘致をしてきた町、玄海町も、川内町も、だまされ誘致に応じてきたわけだ。カネの一方で脅しもある。 今回幕府は負けてなお、名護市にこういう結果だから500億円は出さないよ、と露骨だ。今後も名護市へのいじわるは続くだろう。南相馬市とて然り。 国にいじわるされた二つの被害者自治体の選挙は自治体が圧勝だった。 次は国と一緒になって周辺に迷惑をかけて知らんぷりの二つの加害者自治体の選挙だ。 東京と長崎。
by mmatusaka
| 2014-01-21 21:04
| 社会時評
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