政務活動費問題：北川正恭氏のお話

　2014/7/26大村。　長崎県議会の野党会派改革21が北川正恭氏を招いて講演会（勉強会）をやりますよ、と、県内の各自治体議会（議長）及び議会事務局あてに招待があったとのこと。FAXを見て僕は一も二もなく申し込んだ。
　長崎県議会改革（通年議会への移行ほか）にも北川氏のアドバイスも反映していたのだなあと、あとで分かったのであった。それはともかくとして、今地方議会は「政務活動費問題」「セクハラ野次問題」を通じて顕在化した（表沙汰になった）数々の問題にさらされている。まさに転換点である。
　その時期に北川さんの話が（タダで）聴けるとは、議会人ならこんなチャンスは無いと思うはずだ。僕は、この大村の会場に行けば、島原市議会の同僚も含めて、県内の改革派の議員たちと会えると思い嬉々として参加した。

（ちょこっとカタカナを使うが）
ドミナントロジックにはまり込んだらそこで改革はストップしてしまう。と。
ドミナントロジックとは「こんなもんだ」のこと。
議会なんてこんなもんだ。行政が出来ることはこんなもんだ。と。

　僕自身、多数決で決まる議会において、僕自身が少しばかり頑張っても、始まらない。仲間を作っても多数決の壁に阻まれてしまう。有権者だって、「オカシイ」というくせにいざとなったら腰も上げないし、投票行動に移さない。あーあ、「こんなもんだ」と……ドミナントロジックに陥っていたので、ちょうどいい具合に「喝!」を入れてもらった感じ。

　普通に理屈（議会でのやり取り）が公開され、市民に共有されていれば、いくらなんでもこんな非常識は通過するはずがないということばかり。近いところでは、「島原東京学生寮問題」ちょこっと前で言えば島原有明水道料金統一条例否決、不正処理決算の認定、などなど枚挙にいとまがない。
　議会改革を進め、例えば情報公開が進むだけで、この理不尽は解消できる希望が見えてきた。情報公開を進める議会改革の一点を突破するだけで、全面展開が出来るかもしれない。

　情報をなるべく隠そうとする勢力、「こんなもんだ」にあぐらをかいて、自分たちさえよければ構わないという勢力は厳然と存在する。「こんなもんだ」な役所に寄生虫になっている役人、議員、そして市民。こんなもんだを打破して、市民のために生きがいと誇りを持って働く公務員（議員）で政治をやって、市民に納得してもらいたい。「こんなもんだ」とあきらめないでほしい。

　ちょっとばかりその糸口が見えた感じで、ありがたい講演会となった。残念ながら、島原の同僚議員は僕だけだった。県議も、言い出しっぺが非自民だったせいか、自民党らしき議員は皆無？市議町議にも自民党顔公明党顔は見つけられなかった。
　誰がどう考えてもいったん採用した「通年議会」をおそらくメンツで（メンツをつぶすために）潰して時代に逆行するような長崎県議会多数派であり、その息のかかった市町村議会であるから、簡単ではない。おそらく日本国で一番劣悪な議会集団が長崎県である。道は遠い。

　
　今回号泣県議によって、「政務活動費」問題が表に出たが、これは一不適格議員の問題ではない。議会そのものが抱えている問題だ。（北川氏は、ここで、心なき悪徳議員の問題であって、ほかの善良な議員には関係ない、いい迷惑だ。とするのは妥当ではない。この機会に議会活動を市民に近づけるチャンスとしなければならない。と。）

　僕自身は「政務活動費」そのものに批判的立場を取っている（※）が、政務活動費の廃絶はかなり高いハードルになってしまっている。ならば逆手に取って、「政務活動費の公開」を通じて、議員活動の公開につなげるのも一つの方法かもしれない。

　※うさんくさい政務活動費出生経緯

　
　五島市の議員さんたち、小値賀町の議員さんたち、離島の議員さんたちの危機感は力強かった。長与町は議員さんだけでなく議会事務局の職員さんも参加なさっていた。ちょっとうらやましいが、僕自身同僚議員や事務局に声掛けをしていなかった。孤立無援状態を自虐的に愚痴って北川さんに叱られてしまった。(>_<)

　北川氏の講演会なので、多人数になって個別指導は無理かなと思っていたが、直接教えを乞うことも出来て有難い有意義な勉強会となった。Facebookなどで交流している他地区の議員さん（職員さん）とも交流出来て勇気を頂いた。ありがとうございました。