面従腹背：前川喜平氏の講演

　昨日6/19は長崎市で前川喜平氏の講演があったので会派（バラの会）メンバーと聞きに行った。　
　いま議会中で、昨日は教育厚生委員会だった。僕の担当委員会だった。委員会は10時から、講演は午後2時から。昼までに委員会が終われば行こうかなと思っていた。
　実は、長崎に行けばついでに新築された長崎県庁のトイレとか喫煙室の扱いとかチェックしに行こうと思っていた。どちらかと言えばこちら県庁訪問の方が現在抱えている島原市新庁舎建設問題に直結するので、ついでと言いながら主眼である。
　でも県庁はいつでも行ける~そういって実はこんにちまで延び延びになっていた。

　今回の委員会の議題は、本の少しで１時間もかからないかもという程度だったが、時間無制限の委員会、長崎は行けないかもと覚悟はしていた。目いっぱい２時間、でもまあ何とか終了した。

　実は数日前、教育厚生委員会終了後懇親会を予定すると連絡が入った。懇親会は夜に設定するので、それなら午後も委員会を引き延ばして……ということになりかねない。なにせ島原の教育厚生委員会は（自分のことは棚に上げるが）ほぼ全員納得行くまで質問を続ける猛者ばかり。

　最近はサッカーワールドカップが話題だが、ラグビー用語に「ノーサイド」というかっこいい言葉がある。試合終了のこと。敵味方に分かれた戦った両チームは向こうこっちの区別なきノーサイドになるというわけだ。
　委員会あとの懇親会は、ノーサイドの精神だ。さっきまで役所に鋭く質問を浴びせていた議員たちも答弁に立った部課長たちもノーサイドというわけだ。

　スポーツの試合とか知的競技とかなら、真剣勝負の敵味方が、お疲れ様の握手はをして、一緒に飲んで遺恨を残すまい！は分からないでもない。でも真剣に全力で戦って負けた者が自分を負かした相手と飲めるのかなあ？対等と言えるのかなあ？
　まあ戦う前に対等だった両者は結果を水に流せばまた対等だ。

　しかし、議会の場合いかがだろうか？そもそも対等関係ではない。議決権を持つ議会の方がどう考えても上で、恒例になっているとはいえ、僕はいつもこの委員会あとの懇親会が腑に落ちない。行政側は面白いのだろうか？ストレスがたまる一方ではないか？。

　行政側の係長クラスなど、議員にもペコペコ、上司にもペコペコで大変だと思う。取引先を接待する宴会なら費用会社持ちでしかもまだ仕事のうち。ところが議会の委員会のあとの議員接待宴会は時間外手当もないどころか、割り勘で自己負担なのだ。

　仕事が終わった後、上司に誘われてというのも　どうか。人徳次第では割り勘でもご相伴したいが、ふつうは上司のおごりでも嫌だろうなあ。と。

　前川さんは、上司に飲みに行くぞと言われれば、面従腹背で付き合っていた。だから自分が上に立った時は誘わないよう心がけていたとかナントカ、文科省時代の話をなさった。

前川さんの講演の中身こそ報告しなければならないのだが、それはまた別の機会に。

　面従腹背で、心までは支配されなかった、前川さんの場合、ここぞというところで豹変した。ウソを言うわけにはいかないからだ。しかし多くの場合、正か邪か、白黒はっきりするわけではない。微妙に何か違うなあ？違法とまでは言えないけれど非常識だし、社会的には許されないけどなあ？だろう。
　グレーゾーンで面従腹背している者たちが、黒を見分けることが出来るだろうか？限りなくウソに近いウソをつき続けた者が、君子豹変できるだろうか。自分のウソに気づいたとき（あとになって不正だとわかった時点で）「過ちを改めるに憚ることなかれ」を断行できるだろうか。