そこじゃないでしょ④オリンピック

　そこじゃないでしょシリーズで、いわゆる論点ずらしの実例を挙げながら世の矛盾を指摘していこうと思った。典型的な事象は、政治的に大きな問題が起こると、芸能人のスキャンダル（麻薬とか不倫とか）。

　今回のこと（森氏の女性差別発言問題）で言えば、日本の差別パワハラ傾向を、森会長一人を血祭りにあげることで、目をつぶる。個人の問題に矮小化するというやつ。さすがに、僕が指摘するまでもなく、多くの人たちが「問題はその背景にある」と指摘しだしたので、何も僕がしゃしゃり出ることはなかった。

　オリンピックについては、もともと僕自身は福島はコントロール下にあるというウソをでっち上げての誘致に不満だったし、そもそも日本開催をアピールするなら、10月ごろの時期で提案すべきだと思っていて、はじめから、無理やり政治やアメリカに媚びすぎると否定的だった。

　まあ、内政失敗の論点ずらし。芸能人のスキャンダルや、近隣諸国の不穏な動きを必要以上にあおり、戦争を仕掛ける世論づくりぐらいでは追い付かないので、国民の関心をオリンピックに向けようという、典型的な論点ずらし。

　「今、やるべきことではない！」というのが、（当時の安倍総理他）一部熱狂者の狂乱騒ぎに対する僕の（多くの良識人の）立ち位置だった。押し切られてしまい、どんどん追い込まれている。コロナ以前に多くの問題をはらんでいた。

　そして、強引な延期（さらに延期？）再度問いかけたい。「今やるべきことですか？」「そこじゃないでしょ！」と。

　森氏の後継の選び方等で、簡単に収束はないようだが、いちいち問題があぶりだされてくる。国政も地方政治も、「会議で決めるのではなく、多数派が密室＝料亭でも、ゴルフ場でも、銀座のクラブでも、で決める」という常識。だから公式の会議は異議なしで承認。そんな世界が、連日再確認されて、実は暗澹たる思いだ。