欺瞞（ぎまん）に満ちた聖火リレー

　2021年の東京オリンピック騒ぎはなんだったのか？と歴史検証をするとき、歴史はきちんとした評価ができるのだろうか。まずは事実確認として、当時の新聞記事は一級資料のはずだが。

　新聞を見る限り（テレビを見る限り）真実は遠くの彼方、事実さえ伝わらない。個々のランナーの思い（＝長崎県を走るランナーたちは、平和を願い反核を願っている。）は純粋で、記者たちはその一点を強調してせめてもの良心の呵責に耐える。これだけ多くの紙面を割き写真を配していながら、ランナーのアップの写真ばかり。

　（島原のPR大使）宮﨑香蓮さんが半ズボンだったのか長ズボンだったのかさえ分からない。唯一（これまた長崎県平和大使級の）石原さとみさんが平和記念像をバックに足まで写っている。無観客の平和公園。ランナーは中途半端に密集する市民に手を振りながら走り、それをNHKの専属カメラが収録する。ランナーは、このカメラを積んだバスの陰に隠れて、通過した後に、「あ。あれがランナーだったのか。」と認識される。

　

　相当数の市役所職員が半日動員されて、沿道の交通整理などにあたっていたようだ。もちろん県警は総動員体制。オリンピック関係予算はほとんどが国の予算？（地方の自己負担？＝いずれにせよ税金）行事イベントの最大経費は人件費だが、この膨大な職員の動員経費は計上されない。

　1時間半以上前に、三角コーンやら、のぼりやら、を配置して、ランナーの到着を待つ。ただ突っ立っているだけ、おそろいのレインコート。コートの下がおそろいのポロシャツだったかどうかは未確認。

　30台近い車の隊列の総延長は相当に長い。スポンサー車両のスムーズな運行のために、市役所職員が動員されている。聖火ランナーが主役のはずなのに、聖火ランナーは一瞬だ。

　ど派手なスポンサーカー通過のあと、NHKカメラ車にぴったりくっついて聖火ランナーが走る。島原の場合、1.7キロを９人でつないだという。一人当たり200mほど。

（新聞は翌日確認）
　この日も調整池排水門から、排水があった。交通事情で、開門には間に合わなかったが、閉門の様子は確認できた。