秋の気配：市内巡行

　９月議会が終わって、市内巡行モード。がらりと世界が変わる。議会を覆う雰囲気は（この十数年来：それとも最初から？）あまりに普通の世界とかけ離れている。常識が通じないのだ。

　普通の世界とは何か？普通の市民の生活の場のことだ。ニュースであれフィクションであれ、新聞やテレビの描く世界ではない。どちらかというと、マスコミは、今僕が否定的にとらえている政治の世界（議会を覆う雰囲気）に近い。

　市内を巡っていて、接する世界は、人間らしさがある。市内を巡っていて感じるのは、格差であり、個人差だ。多様な生き方があり、多様な考えがある。精神は自由と言っても、立派な一軒家に住まう人、隣家の物音が聞こえる長屋アパートに住む人、最近はやりの入り口ドアがやたらに高い、ほとんど窓の無い（表札の無い）頑丈なアパートに住む人。

　それでも、そこには、思っていることと正反対のことを言ったり、疑ったり、駆け引きに明け暮れることはない。孫自慢であれ、亡くなったご主人への想いであれ、お隣さんへの愚痴、役所への不満、国政にもの申すであれ、ともかくも多様ではあるが。いくらかほっとする。

　政治の世界にいたら、役所の中にいたら、学校の中にいたら、常識（普通の人の気持ち）が分からなくなるのかもしれない。もっと怖いのは、テレビのコメントとか、ネットに氾濫する情報だ。

　島原の、まちなかには、自然があふれていて（若干人の手が入って洗練された意匠もあるが）こころ癒される。湧水は特にありがたい。