君の想いは僕の想い①傘をどうぞ

　　松坂の選挙の基本形は、辻立ちで政策を訴えること。心にしみる思い出がある。

もうかれこれ20年前のことだが、有明地区を回っている時、例によって、ひたすら政策を訴えていた。すると雨が降り出してきた。それでも、ひとしきり訴えるべきことを訴えないでやめるわけにいかず、しばらく演説を続けていた。すると、背後の家の奥様が傘を差しだしてくれて「お持ちなさい」と。いう事があった。ジーンときて、涙があふれ演説を続けたのだった。

　今回、相棒シノさんと、有明地区の選挙ポスター掲示板の勝っちゃんの胸元に、『裏金NO!』のシールを貼って回った。湯江小学校の付近の掲示板の前で、ふっとその時のことが思い出された。この場所じゃなかったかな。

　シノさんが、「松坂さん、選挙に出た時、実はこの場所で演説をしていたら雨になって、そこの奥さんが、傘をさしかけてくれたんだ」と。そうだった、傘を差しだされて感激した思い出はシノさんのものだった。

　そういえば、シノさんも有明時代町議選挙に挑んだことがあったのだった。松坂の選挙手法を取り入れてくれて、辻立ちを繰り返す選挙だった。僕は応援で、一緒に回って旗持ちをやったのだった。当時のことが思い出された。

　僕は、いつの間にかその思い出が、自分の体験として記憶に残っていたのだった。20年たって、いつの間にか記憶が塗り替わっていたことが、驚きだった。記憶違いが、何かとても嬉しく感じられた。