法治国家の無法地帯：島原①

　島原市議会、上田議長（森園副議長）辞任に伴い、新議長・副議長が誕生した。元来、議長副議長の任期は議員の任期（すなわち4年）だが、事故で辞めたり、自己都合で辞めるのは仕方がない。（合法だ。）タイトルに無法地帯としたのは、このあとの問題であって、ここまでは合法であることを断っておく。
　新議長林田勉君と副議長本多松弘君は、既に議員任期を２年過ぎているので、残る２年間が任期である。19票中13票で当選した。次点は草野勝義君で、議長選も副議長選も６票で惜敗した。　その選挙のルールは『地方自治法』に規定してある。１項にごちゃごちゃ書かれているが、短期無記名ですよとか、点字投票や代理投票も認めるよとか、一番多く票を取った人が当選ですよとか、よくある当たり前のルールが公選法から引用してある。　問題は、２項３項。実はよくある町内会や仲良しクラブの代表選など同様、「指名推薦」も出来ることになっている。選挙は結構時間も食うから、話し合いで済めばその方が手っ取り早かろうというわけだ。
　ただし、議員中異議がなく全員の議員が同意した場合に限る。と。
　島原のように、自民公明合わせて13名の多数派で統率が取れていれば、どう考えても非自民は太刀打ちできない。結果は見えている。ならば時間節約のために、自民からの推薦候補を異議なし容認もあるかもしれないが、そこは少数派も意地がある。まかり間違っても「異議なし！」と言うわけにはいかない。　町内会のように、いきなり議長が「指名推薦でよろしいですか」と切り出すことはない。異議が出るのは必至なのだから、本則（自治法118条）に沿って、「無記名投票が例になっていますので～」と選挙になる。

　両派拮抗していたり、三つ巴だったりすれば、一票でひっくり返るわけで、今の国会衆議院のように与党で過半数が無ければ、緊張感も漂うだろうが、今の島原市議会は2・3人寝ていても自民圧勝状態。傲慢になって「平家にあらずば人にあらず」となっても太刀打ちできない。多数による暴走、挙句の果ては法も守らない。　どこぞのタレントがコンプラ違反などと騒いでいるが、島原市議会は今、無法状態に陥っている。
　新議長副議長に正常化を期待したいところだが、無法者たちに選ばれた二人には、限りなく無理だと思う。せめて、理屈（法律）が通用すればいいのだが、理屈じゃないよ多数の力だよ。というわけで、
　議会初日、このあと常任委員会の改選、各種委員の交代などを（テレビの無いところで）話しあったのだが、まさに無法地帯。報告するのも恥ずかしい。でも、一応報告しますね。（つづく）