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2007年 10月 12日
かつて「文学研究会」というのがあった。軌道に乗るまでは、僕が発表者講師という事でいくつか用意していた日本文学論の一つが『「あなた」の運命』だ。
確か言語学者鈴木孝夫氏(『閉ざされた言語ー日本語の世界』など)の説を松坂アレンジしたものであった。 日本語(日本文化)は、自分をへりくだり相手を持ち上げる習慣を持つ。相手の行為は素晴らしく、自分の行為はお粗末である・・・という扱いをする。いわゆる敬語法である。相手が言えば「おっしゃる」こちらが言えば「申し上げる」。相手が食べれば「召し上がる」こちらが食べれば「いただく」といった具合。 俺が俺がとシャシャリ出ない。いつも相手を立てる。でも相手を立てるにも畏れ多くて、けして直視する失礼があってはならないのダ。 英語で言えば二人称「you」、目の前の相手のずっと遠くの彼方(すなはちあなた)を見つめて「あなた」と表現する。そこには相手に対する尊敬の念がこめられている。 ところが人間は正直なもの、相手に対して尊敬の念もないのに表現だけは敬称を使ううちにその言葉に軽蔑の念が込められてくる。尊称だったはずの「あなた」はいつの間にか蔑称に変身していく。 結婚当初、妻の発する「あなた」は尊敬の念とともに愛情にあふれていた。年月がたって、「あなた!何時だと思っているの!」と詰問する妻の言葉にかつての輝きはあるであろうか?「あんた、何してるの!」とか「あーたは・・・」と形まで音便変化すれば、もう本質は180度変化している。 かくして「あなた」の運命が確定する。 尊敬の気持ちが無いまま「あなた」を連発するうちにそれを打ち消すマイナスベクトルが働き蔑称となる。かつて「おまえ」は「御前(オンマエ)」で、相手の足元にひざまづいたものだ。きさま(貴様)しかり。日本語の2人称は尊称で登場し、蔑称に転落する。次から次に2人称が発明されなければならない運命なのだ。
by mmatusaka
| 2007-10-12 00:34
| 社会時評
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